ペットに対する飼い主の意識を再確認
近年、ペットの生活環境の改善、医療技術の進歩、飼い主の意識の向上などにより、平均寿命も年々伸びています。同時に、高齢性疾患も増加する傾向にあります。 ペットの死亡原因の主なものは、事故死以外に悪性腫瘍、心臓病、賢不全、肝不全があげられます。 これらは先天的なものと後天的なものがありますが、後天的なものとして栄養素バランス異常、高カロリー食過剰摂取、いわゆる太りすぎなどが引き金となっていることが多く見られます。 ペットは自分で健康を管理し、食餌を取ることは出来ません。 愛するペットをこれらの病気から守るには毎日注意深く観察・チェックをすることが重要となります。 しかし、内部から徐々に進行する病気は、単純に外見では判断できないものも多くあります。 したがって、病気の早期発見・治療をするためには糞尿・血液・血清・心電図・レントゲン・超音波検査などによる定期健康診断が非常に有効です。当院では、CT検査も実施しております。 健康診断により早期に病気が発見されれば、早期に治療が開始できます。 場合によっては死亡率の高い病気でも治癒させることも可能です。
尿検査
尿を調べることは、健康診断の基本です。当院では蛋白、ブドウ糖、潜血、pH、比重、尿沈渣など12項目以上にわたって検査します。
糞便検査
糞便検査も尿検査同様健康状態を知る上で重要なものです。 特にペットは人と比べても多くの寄生虫が見られるので、公衆衛生上も大変重要です。 この検査では、虫卵、原虫、各種細菌、潜血反応、消化試験、膵臓外分泌機能などを検査します。
血液検査
ペットから少量の血液を採り、その成分を検査することによって、健康状態のおおよそを推察することが出来ます。また、現在の臓器の状態、病気の進行具合、今後の治療方法の選択などにも大きな方向性が示せます。 当院では、赤血球数、白血球数、ヘモグロビン濃度、総蛋白、血糖値、尿素窒素など20項目から30項目以上にわたって検査します。
心電図検査
心電図とは、心臓の動きを電気的に捉え、その記録をとったものです。 心電図検査とは人に対する心電図検査と同じく、聴診器にみられる音だけの検査に比べて正確な検査が行える様になります。
レントゲン検査
レントゲン検査は、骨の異常を調べるのみならず、胸部や腹部の内蔵およびその周辺の病巣を映し出すことにより、外観からは分からない病気の多くを調べることが出来ます。 また、人同様、心血管造影、尿路造影、バリウムによる消化管造影も可能ですから、より細かな検査を行えます。
超音波検査
レントゲン検査では判断しにくい各臓器の内部構造の把握(癌、心弁閉鎖不全、肝硬変など)レントゲンでは危険な早期の妊婦胎児診断などに超音波断層検査(エコー)を行います。
CT検査
レントゲンや超音波では調べられない脳内部の変化や、胸腔内の病変の発見、その他超音波検査との組み合わせによりさらに多くの情報が得られます。